20世紀生まれのクラシック音楽

20世紀には、それまでの様式とはガラリと変わったものが多く生み出されています。
一つの時代の中で、多くの様式が併存するという点には、20世紀らしさが伺えます。

しかし、クラシック音楽よりもポピュラー音楽の方に親しみを感じるという現実も、否定することができません。
そのため、新しい様式で書かれた多くの20世紀の音楽は、一般的な人気を得ることに苦労しています。

そんな中でも、耳にすることの多い作品をピックアップしてみたいと思います。

■イーゴリ・ストラヴィンスキー「バレエ音楽[春の祭典]」

イーゴリ・ストラヴィンスキーの生まれはロシア。
満89歳まで長生きをした彼は、その創作活動において、20世紀前半に生まれたあらゆる新しい様式をどんどん取り入れていきました。
そういった意味で、ストラヴィンスキーの音楽は実にバラエティに富んでいます。

バレエ音楽[春の祭典]は、1911年に作曲されたものです。
ストラヴィンスキーの中では、初期の作品となります。
この作品と時を同じくして書かれた他のバレエ音楽[火の鳥]や[ペトルーシュカ]は、ストラヴィンスキーという存在がどのようなものであるのかを、人々に強く印象づけることとなります。

中でも、1913年5月にパリのシャンゼリゼ劇場で初演された[春の祭典]は、賛成派と反対派が大きく分かれ、会場が大騒ぎになったようです。
反対派も少なくなかったというのが嘘のように、その後、世界中のオーケストラが演奏する定番の作品の一つとなりました。

■武満徹「ノヴェンバー・ステップス」

西洋の音楽が日本に上陸したのは、明治期。
それ以来、多くの作曲家が国際的に注目を浴びるようになりますが、武満徹も高い評価を得た作曲家の一人です。

武満がジャズに興味を持つようになったきっかけは、第二次世界大戦直後の進駐軍によるラジオ放送でした。
それから独学で作曲を学んでいったのです。

1950年には、ついに作曲家としてのデビューを果たします。
しかし、その音楽は受け入れられず、それどころか、酷評を受けてしまうことになります。

酷評されながらも、彼が音楽から離れることはありませんでした。
豊富なアイディア、そして、響きに対する敏感な感受性。
それらを併せ持った武満は、クオリティの高い音楽を作曲し続けます。
そしてとうとう、日本国内を飛び出し、世界中で高い評価を得るようになったのです。

その名を世界中に知らしめたのが、1967年に作曲された「ノヴェンバー・ステップス」だといえます。
この作品は、ニューヨーク・フィルの創立125周年を記念する演奏会のために依頼されたもの。
琵琶、尺八など、日本の伝統的な楽器がオーケストラと共演するという構想は、日本人である彼だからこそ実現できたものといえるでしょう。

そして、和楽器を使った西洋音楽の可能性をさらに広げることになりました。