クラシック音楽〜ベートーヴェン〜

クラシック音楽を語るにあたり、ベートーヴェンは欠くことのできない作曲家の一人ではないでしょうか。
ベートーヴェンの楽曲には、ハイドンやモーツァルトの音楽が受け継がれています。
しかし、残された作品の中には、彼自身の持ち味も大きく感じ取れるものが多くあるように思えます。

ベートーヴェンが活躍をした時代は、市民階級が、社会的にも経済的にも力をつけ始めた頃でした。
彼自身、いわゆる「貴族のお抱え音楽家」ではなく、自立した音楽家でありました。

音楽の英雄といっても過言ではないベートーヴェンの作品を、いくつか取り上げてみましょう。

<交響曲第5番ハ短調「運命」>

クラシック音楽といえば、ベートーヴェンの「運命」を真っ先に挙げる人も少なくないと思います。
名前を聞いてピンとこなくても、「ジャジャジャジャーン」というと、わかるのではないでしょうか。
出始めの「ジャジャジャジャーン」は、老若男女問わず、誰もが知るところでしょう。

ベートーヴェンは、「運命」において新機軸を打ち出しています。
この交響曲は、4つの楽章をそれぞれ関連の薄い独立した音楽として捉えるのではありません。
まるで、作品全体で一つのまとまりある物語を構成するように作られているのです。
それが、「運命」において、何よりも重要な点といえます。

<エリーゼのために>

「運命」に勝るとも劣らない知名度をもつのが、「エリーゼのために」です。
これは、演奏時間はわずか3分ほどという短いピアノ小品。
ピアノを習った経験をお持ちなら、かなりの高い確率で弾いたことがあるでしょう。
(ピアノを習うことに憧れていた私も、触りだけ教えてもらい、何度も同じ小節を弾いていた覚えがあります。)

実は、よく知られた「エリーゼのために」ですが、謎に包まれた作品でもあるのです。
タイトルの中の「エリーゼ」が、女性の名前であることはわかります。
しかし、どの女性を指しているのかというと、まだ明確な答えが出されていません。

一生独身で過ごしていたベートーヴェンですが、女性が苦手だったというわけではないようです。
それどころか、女性に惚れやすい人だったとも言われています。
ベートーヴェンから交際を申し込まれた女性もいるようです。
それなら、その中に「エリーゼ」という女性がいたのではないか?と思えますね。
それが、どんなに頑張っても、「エリーゼ」という名前の女性は見当たらないようです。

彼に、結婚まで決意させた女性の名前は、「テレーゼ・マルファッティ」といいます。
「エリーゼ」と似た名前であることから、もしかしたら「テレーゼ」のことを指しているのではないとも考えられているようです。
この曲が公にされたのは、19世紀の後半になってからでした。
その際、楽譜を出版した人が名前を取り違えてしまった…という見方もあるようです。

正体が明らかにされない「エリーゼ」を思い浮かべながら聴いてみると、また違った世界が広がるかもしれません。